小林賢太郎は劇場に在り

シアターコントロニカ『回廊』千秋楽 終演後

2023年4月16日 14:30頃
於 KAAT(神奈川芸術劇場

 

2020年11月16日をもって芸能活動から引退したと、同年12月1日に当時の所属事務所から発表され、執筆活動などの裏方仕事以外の全ての表舞台から姿を見せていなかった、劇作家 小林賢太郎氏が舞台上に姿を表す一幕があった。

当時の発表によると、2020年6月の「カジャラ 第5回公演」が最後の出演になる予定であったとのことだが、新型コロナウィルス感染防止のため、こちらはあえなく中止となり、2020年2月に行った「うるう」が最後の舞台となってしまったこともあり、
約3年ぶりにその姿を見られたファンの喜びはひとしおであった。

 

配信コント公演と銘打っている今回の『回廊』だが、カーテンコール部分の配信は無く、SNS上に書き残してくれている他のファンもいるが、少しでもあの時間と感動を詳細に共有すべく、私もここに残したい。

筆者の主観はなるべく排除し、出来るだけ正確に書き起こすつもりだが、
センターブロックやや後方上手寄りから、肉眼で観た記憶だけを頼りに書いてみる。

素人の書き殴りにつき、温かい目で見守っていただけるとありがたい。


※以下、読みやすさを考慮し劇作家・出演者の敬称は略す。


既に4回のカーテンコールが終わっていても拍手が続く場内

 

舞台奥側に設置されたグレーの回廊を表した美術パネルの間から、まず辻本が顔を出す

他のメンバーが続かなかったため、パネル裏を再度確認、その後すぐに他一同も出る


舞台ツラに横一列、立ち位置は下手から

松本、久ヶ沢、南、高崎、辻本、竹井

全員公演グッズのTシャツを着ている

 

鳴り止まない拍手の中、竹井が話し始める

 

竹井「いやー皆さん、本当に温かい拍手をありがとうございます。手も痛くなってきてますよね。何もご用意はないんですが……気を付けて帰ってくださいね!」


辻本が竹井に耳打ちで何かを話す、竹井も返す

それを見た久ヶ沢も下手で松本、南に耳打ちの素振り

久ヶ沢達の耳打ちに気付く辻本


辻本「何話してるんですかそっちは」

久ヶ沢「そっちで何か話してたから、こっちもやんないと」

一同「(笑)」

辻本「えー、せっかくの千秋楽ですし、うちの劇作家も呼んじゃおうと思うんですが、呼んじゃっていいですか?」

 

場内騒然、拍手喝采

 

久ヶ沢「あーでもホログラムの準備が間に合わないよ。フルCGの。」

一同「(笑)」

 

下手袖の黒パネル裏にいる人物とマイムで会話する辻本

 

辻本「(こっちこっちと手招き)」

 

場内の視線は下手袖の一点に集まる

ひと呼吸置いて、袖から一歩の(下手端に立つ松本とは一間半ほどの距離がある)位置に小林が出る


場内阿鼻叫喚、拍手喝采

 

さながら故 坂本龍一氏のようなグレーヘアに、眼鏡、黒のプリーツ型マスク、黒のパーカー、ジャケット、肩掛けトートバッグ、パンツ、ベージュのニューバランス姿の小林

右手にはクロコ郎(前説で南と共に登場し小林が声を当てていたパペット)

 

マスクを顎まで下げ、いざ話そうとするも、いやちょっと待てよ?の表情

喉の調子を整え、腹話術師の如くエフェクトがかったクロコ郎の声真似で話す小林


クロコ郎(小林)「エ~ミナサン」

一同「(笑)」

クロコ郎から小林に戻る


小林「シアターコントロニカ配信コント公演『回廊』にご来場いただき、誠にありがとうございます!」

小林「まずは出演者の紹介をさせていただきます」

 

小林「松本 亮」
松本「ありがとうございました!」

 

小林「久ヶ沢 徹」
久ヶ沢「ありがとうございました!」

 

小林「南 大介」
南「ありがとうございました!」

 

小林「高崎拓郎」
高崎「ありがとうございました!!!(大声)」

一同「(笑)」

 

小林「辻本耕志」
辻本「ありがとうございました〜〜!!!!(オペラ調)」

 

場内爆笑

勘弁してくれと言わんばかりの表情の竹井

 

小林「竹井〜亮介〜!」
竹井「ありがとうございましたッ!!!!!!!!(ドンッ)」

 

場内爆笑、拍手喝采

 

小林「今回は配信コント公演として、毎日収録のカメラが入っていました。今日もいました。毎日違う面白さがあるので、劇作家が必死になって編集しています(笑)」

小林「今日の18時からかな? 早速配信が始まります。視聴コードのみのチケットはまだ買えますので、皆さんから面白かったと紹介していただければ、ありがたいです。」

 

小林「僕より出演者の皆の話が聞きたい。じゃあ竹井から。どうでした?」

竹井「あのー、ほんとに楽しかったです。配信コント公演でしたけど、劇場のこの距離でお客さんの生の反応をいただけて。たくさん笑っていただけましたし、熱が入ると言いますか。楽しかったです!」

 

クロコ郎(小林)「ジャ、ツギ辻本サン」

一同「(笑)」

 

辻本「僕も楽しかったです、ほんとに。今回はギター弾かせてもらって大満足です。」

小林「今日尾崎(豊)入れてたよね?」

辻本「バレました?(笑)尾崎気付いた人ー?(客席に向けて挙手)」

 

場内数名挙手

 

辻本「お〜嬉しいな!」

小林「はい次、高崎さん」

 

高崎「今回台詞で『回廊を回っても何も起こらない』って言ってたんですけど、毎回色々起こって毎回違ったんですよ」

小林「ちょっと意味分かんないです」

 

大声で言い直す高崎

 

高崎「『回廊回っても何も起こらない』って言ってたんですけど!!!!毎回違って!!!!」

一同「もういい、もういい(笑)」

 

小林「次、南くん」

南「さっき(小林登場前のカテコで)も言ったんですけど、今回久ヶ沢さんと対峙する時間があって、毎回笑わされるんですけど、終わるとちょっとムカつくんですよ。今もムカついてます(笑)」

 

場内爆笑

 

小林「じゃあ最後に松本さん」

 

自分の番を飛ばされてコケる久ヶ沢

嬉しそうな小林

 

小林「久ヶ沢兄さん」

久ヶ沢「……毎回やる前にどうしても気乗りしないコントがあって……その、体力的にキツいんです。でもそのおかげか脚がちょっとね、太くなりました。」

 

場内爆笑

 

小林「では、松本さん」

 

少しうつむき涙声の松本、涙を拭いながら

 

松本「……役者を始めた頃から……賢太郎さんの舞台に出るのが夢で……今回出られて本当に嬉しくて。」

竹井「涙が一番似合わない人が……(泣)」

小林「僕もね、観ながら裏で泣いてましたから」

久ヶ沢「ヤバい、貰い泣きする……いらないから返したい!返す!返す!(泣)」

辻本「おじさん達涙腺緩くてダメなんだから(泣)」

竹井「もう年だからね(泣)」

小林「はい、んじゃ辻本さん、締めて!」

辻本「えーはい……劇作家から何か無いんですか?」

小林「あ、皆で手挙げてワ〜ってやつ、僕もやりたい(笑)」

 

立ち位置は動こうとしない小林

 

辻本「こっち、真ん中来たら?」

小林「(右手に)クロコ郎いるから」

 

小林が松本の隣に寄って、一同手を繋ぎ、下手から

クロコ郎、小林、松本、久ヶ沢、南、高崎、辻本、竹井の順

 

一同「ワ〜(手を挙げて振り下ろしてお辞儀)」

 

拍手喝采

 

最後まで手を振りながらハケていく一同

クロコ郎に手を振らせる小林

 

舞台照明フェードアウト、拍手が落ち着く、客出し